西出水産の「灰干乾燥製法」は経験豊かな職人達が伝統の製法を守り続け、一匹一匹丹念に手作業で手掛けています。安心、安全、無添加にこだわり、塩を溶かす水は特殊な浄水器を通した活性水、原料のさんまを洗うための水にも同じものを使用しています。「さんま(秋刀魚)」包むセロファン一つにしても化学合成の塩化ビニールではなく、空気をほとんど通さずに水分を通す天然パルプのものを使用しています。
こだわった素材と材料、守り続ける製法が食通を唸らす味を作り出しているのです。
そんな灰干乾燥製法をご紹介、今回ご紹介するのは西出水産の代表商品である「灰干さんま」です。
前日の夜、仕事が終わった後に次の日の灰干さんまの原料である「さんま」の解凍を始めます。
解凍の開始時間は、開くときに身が崩れない、さんまがちょうどいい解凍状態で次の日に仕事が出来るように季節に合わせ、気温にあわせて解凍の開始時間や並べる間隔、角度を変えます。
写真は解凍が終わる寸前の様子。このころには箱は綺麗に並べられています。
ボツボツと開き職人さんたちが、干物にする魚を開くための包丁研ぎを始めます。
古くから和歌山に伝わる紀州開きという方法で魚を開くために包丁は専用のものを使います。包丁の刃渡りは、僅か7センチほど。作業の前に、毎朝必ず研ぎ上げます。
だから僅か1年足らずで刃は小さく丸くなってしまいます。脂の乗った「さんま(秋刀魚)」を捌くので毎日研がないとすぐに刃は切れなくなってしまうんです。だから毎日毎日、研ぐんです。
研ぎ上げた専用の包丁を使って「さんま(秋刀魚)」を開いて内臓を綺麗に取り除きます。
そのスピードは一匹僅か15秒弱! 綺麗で且つ丁寧なのに素早い!
熟練の技が冴え渡る瞬間です。
半氷の原料を素早く的確に捌く、秋刀魚は完全解凍するとすぐにいたみはじめます。
そのためにも秋刀魚の鮮度を追い越す速度で完全に解凍される前に全ての原料を捌くのです。
一日に捌く量はおよそ8千匹!多い日は1万匹を超えます。サイズに合わせて解凍された順番にどんどん捌いていきます。冷たいサンマをさわり続けるので夏でもお湯は必須。かじかんでしまいそうな指を温めながら、どんどん作業は進みます。包丁を洗い、作業台を洗いながら午前中は休み無しで捌いていきます。
捌いた端からどんどん洗う。
一度ざっと水をくぐらせたら、今度は丁寧に手でかごの中の「さんま(秋刀魚)」を並べ直して、素早く丁寧に二度洗い。使う水は特殊な浄水器を通した磁気活性水。
そのままの水道水なんか使いません!
洗ったらすぐに塩水に漬け込みます。
素材の大きさや季節ごとに漬け込む塩水(活性水使用)の塩分の濃度を変え、漬け込む時間を変えています。これも熟練の職人の経験と目が冴え渡る瞬間です。
絶妙の塩加減はここから産まれるのです。
灰干をする前にもう一度綺麗に洗浄します。ここでも二度洗い。この水もやっぱり磁気活性水。
洗ったら直ぐにセロファンをまきます。
サンマの鮮度を追い越せ引き離せ!これまた素早く丁寧。何万匹もの経験が手早く確実な作業でさんま(秋刀魚)を包んでいきます。
手の温度に触れる時間を極力少なく、でも正確に丁寧に1匹僅か5秒足らずで行います。
セロファンを巻いた端から灰干開始!
巻き終わったものをどんどん干していきます。早く空気からシャットアウトしないと酸化が進んでしまいますからね。これも季節や気温に合わせて日々干す時間を変えています。
さんま(秋刀魚)が見えない状態で中の様子を想像するのはやはり職人の経験と勘。
味を決める最後の工程なので干す時間に一番神経を使います。
灰干さんまから抜けた水分が灰に染み込んでいます。
開いたさんまの形に染みが出来上がってるでしょ?こうなってきたら灰干は完了です。
これから厳密に職人の目で出来具合をチェックして選別し、箱詰めしていきます。
ちょっとでもキズなどがあれば直ぐに撥ねます。丁寧に裏表をチェックして間違いのないものだけを箱詰めしていきます。箱詰めが終わったらようやく出来上がりです。
西出水産の灰干さんまができるまでの12時間の物語もようやく最終章。最後まで全く手を抜かずに吟味します。
今日もクールの宅急便が西出水産にやってきました。
いよいよ出荷です。
今日出荷する「灰干さんま(秋刀魚)」も皆様に美味しく頂いていただけますように!